エディットモードでのベベル(Bevel)
モデリングではディテールをつけていく場合などに、エッジにベベルを施すことが多いと思います。モディファイヤーでのベベルを適用することも多いですが、エディットモードでのベベルもよく使います。
エディットモードでのベベルは基本的に破壊的(不可逆)な方法で、モディファイヤーのように状態を元に戻すことはアンドゥ以外ではできませんが、狙ったところに確実にベベルを施すことができるため、形状を確定しても問題ない部分や、段階的なモデリングの過程としてベベル処理が必要な場合に使います。
エディットモードでのベベルの使い方
ショートカットはCtrl+Bです。
ベベルしたい辺か頂点を選択してCtrl+Bを押すとベベルモードに入ります。
設定
ベベルモード中はホットキーでいくつかの設定が行えます。ホットキーリストは画面下部に表示されています。Ctrl+Bのあとにホットキーを押すと設定された機能を呼び出すことができます。
またベベルを付与して選択を外す前であればダイアログで設定の調整ができます。ダイアログは左下に最初は畳まれた状態で表示されています。慣れないうちはダイアログでの設定をお勧めします。
確定/キャンセル
左クリックないしエンターキーでベベルを確定します。
ESCキーでベベルをキャンセルします。
Affect(影響)
ベベルの対象を頂点と辺で切り替えます。
ホットキーはVキーです。
また頂点を選んだ状態でShift+Ctrl+Bで最初から頂点ベベルになります。
WidthType(幅のタイプ)
ベベル面の幅のタイプです。
ホットキーはMです。
Percent(%)、Offset(オフセット)、Width(幅)、Depth(深度)、Absolute(絶対)が選べます。タイプのイメージとして以下の図のようなります。
OffsetとAbsoluteは似ていますが、ベベル面がスライドするエッジがベベルエッジに対して直交してない以下の図のような場合に違いがでます。
Segment(セグメント)
ベベル面の分割数です。
ホットキーはマウスホイールまたはSキー+数値入力です。
Shape(シェイプ)
ベベル面の湾曲具合です。
ホットキーはPキーです。
Material Index(マテリアルインデックス)
マテリアルのインデックスをベベル面に付与します。
対応するホットキーはなくダイアログのみでの設定項目です。
例ではマテリアルを2つ作成しMaterial Indexを1としてベベルしています。マテリアル範囲によるSelectをしてみるとベベル面にMaterial.001(Material Indexが1のマテリアル)が適用されていることがわかります。
HardenNormals(法線のハード化)
ベベル面のノーマル状態を変更します。
ホットキーはHキーです。
Clamp Overlap(重複の回避)
たとえば2本のエッジをベベルして干渉した場合など干渉部分をクランプするかのチェックです。
ホットキーはCキーです。
クランプが作用するのは以下のような状況の場合です。
Loop Slide(ループスライド)
ベベルされるエッジに交差するエッジがあった場合のエッジの繋がりの設定です。デフォルトではチェックが付いています。
対応するホットキーはありません。
以下のような挙動をします。
Mark(マーク)
Sharp(シャープ)/Seams(シーム)が付与されているエッジと付与されていないエッジを同時にベベルする場合、Sharp/Seamsの影響を考慮する設定です。
ホットキーはSharpに対してがKキー、Seamsに対してがUキーです。
例ではSharpマークしたエッジとしてないエッジを同時にベベルしていますが、MarkのSharpのチェックをONOFFすると。元のマークエッジとしてないエッジの交差する部分にSharpがマークされるかどうかの違いがでています。Seamsでも同じです。
Miter Outer/Inner(留め継ぎ 外側/内側)
公式にはベベルされるエッジの角度が180度以上がOuter、180度未満がInnerと説明されていますが、以下のような3本の辺を同時にベベルした場合の交わり部分の状態を決める設定です。
ホットキーはOuter設定がOキー、Inner設定がIキーです。
例ではSharp、Arc、Patchを変更して交差部分の状態を変えています。やや直観的にわかりにくい概念なので、実際設定をしてみて相応しいものにできれば問題ありません。
Intersection Type(交差タイプ)
ベベルの交差した部分をGridFillで埋めるか、CutOFFするかです。
ホットキーはNキーです。
以下のような挙動になります。
Face Strength(面の強さ)
Weighted Normal(重み付き法線)モディファイヤーでの挙動をコントロールするための設定です。基本的にはカスタムノーマルの状態を決める設定です。
対応するホットキーはありません。
例ではWeighted NormalモディファイヤーのFace Influence(面の影響)をOnにして挙動を確かめている様子です。
Profile Type(断面のタイプ)
ベベル面の形状を決めます。プロファイルタイプを十分に機能させるにはベベル面のSegment(分割数)が十分量必要です。
ホットキーはZキーです。
Superellipse(ラメ曲線)は断面が楕円状になるシンプルなプロファイルで、基本的にShapeによってコントロールされます。
Custom(カスタム)では断面のカーブを編集することができます。例ではCustomにてカーブを編集してベベル面の形状を変えています。
応用的な使い方
ベベルには面取り以外にもさまざまな使い方が考えられます。
階段を作る
ベベルで簡単に階段を作ることが可能です。プロファイルのプリセットのStepsを使います。段数変更はプロファイルを書き換える必要がありますが、階段状の形状を素早く作るにはとても便利です。
穴を作る
頂点ベベルを使って穴を作ることができます。
例のような頂点に対してCtrl+B→Vキーでベベルをします。ベベル面が選択されたまま、右クリックメニューからSubdivide(分割)を1で適用します。LoopToolsのCircleを適用すると円形が生まれます。あとは必要に応じて押し出しや、四角ポリゴンのための辺生成(例ではJキーでエッジを作っている)を行います。手軽に穴を作ることのできる方法です。
まとめ
エディットモードでのベベルは不可逆な作業にはなりますが、柔軟な設定と使い道があり、モデリングにとっては無くてはならない機能です。設定項目の一部には慣れが必要なものもありますが、すぐに使いこなせるようになると思います。モディファイヤーのベベルとともにモデリングの効率やクオリティを上げるために活用していきましょう。