ローレット加工とは
銃のグリップや操作盤のつまみなどに、滑らないように施される凸凹の加工をローレット加工などと言います。Blenderではいくつかの機能を組み合わせることで簡単にローレット加工を作ることができます。
ローレット加工を作る操作
ローレット加工を作る過程の動画です。おおよそ2分程度で作ることができます。さまざまな機能と選択方法を組み合わせているので、初学者の方はもしかしたら知らない機能もあるかもしれませんが、機能一つ一つの意味がわかると組み合わせの意味も理解できると思います。
例ではベース形状をShift+AのAddメニューから、Cylinder(円柱)をVertices(頂点)100で作成しました。また円柱のふた部分は後から作るので、Cap Fill Type(ふたのフィルタイプ)をNothing(なし)にします。
円柱の側面ポリゴンをAキーですべて選択して、Ctrl+RでLoopCut(ループカット)を実行します。
ローレット加工の目の細かさは、このループカットともともとの縦のエッジの数で決まりますので、求めるローレット加工の細かさになるくらいにマウスホイールを回してカット数を調整します。例では24にしています。
カットができたらすべての面を選択して、Ctrl+FからフェイスメニューのPokeFace(扇状に分離)を実行します。すると四角ポリゴンが4つの三角ポリゴンに分割されます。
その状態のまま、Tris to Quad(三角面を四角面に)を実行します。する三角ポリゴンに分割された状態が、ダイヤ状の四角ポリゴンになります。
上下の縁の部分は四角ポリゴンになっていないので除外したいため、面選択モードにしてからSelect All by Trait(特徴で全選択)のFaces by Sides(面の辺数)でNumber of Vertices(頂点数)4、Type(タイプ)をEqual To(同じ)に設定して四角ポリゴンのみ選択します。頂点選択モードや辺選択モードだとすべてのポリゴンが選択されてしまうので注意です。
この状態でさらにPokeFace(扇状に分離)を実行します。
頂点選択モードにして三角ポリゴンに分割したダイヤ形状の中心の頂点を一つ選択して、Shift+GでSelect Similar(類似選択)メニューのAmout of Connecting Edges(繋がっている辺の数)を選択します。ダイヤ形状の中心の頂点はエッジが4つ繋がっているので、同じく4つエッジが繋がっている頂点がすべて選択されます。
頂点が選択出来たらAlt+SでShrink/Fatten(収縮/膨張)を実行し、必要な高さまで頂点を移動させます。(S→Shift+Zでも同じように移動できます)
最後に縁をEキーで押し出して、Fキーでふたを作って完成です。
今回の例のローレット加工はオーソドックスなものですが、さまざまな形状がありますので、本記事を参考にいろいろなローレット加工を作ってみるとBlenderの機能を習熟することにもつながります。