Blender 座標や軸の基本知識 グローバル座標とローカル座標編

Blender

3Dツールでは3次元の要素を扱うため、座標や軸の理解が必須になります。本格的には数学的な難しい話になってしまいますが、モデリングを行う程度であれば、とりあえず簡易な理解でもBlenderを使っていくことはできます。今回は、Blenderを使っていく上で最低限理解しておきたいグローバル座標とローカル座標と軸の基本知識についてまとめてみました。

グローバル座標

3Dプレビュー画面が大きい方が確認しやすいので、Blenderの画面を開きアクティブワークスペースをModelingにしています。

デフォルトの設定では、いま画面に赤い線と緑の線が見えると思います(オブジェクトはすべて消しています)赤い線はグローバル座標のX軸、緑の線はグローバル座標のY軸を意味します(グローバル座標は他のツールなどではワールド座標などとも呼ばれます)

いわゆる画面に見えている3D空間の座標軸のことですね。しかし3次元空間のはずなのに2本しか軸がなくもう一本がありません。これはもう一本の軸であるZ軸表示がされていないだけでもちろんこの3D空間には3本の軸が存在しています。

Z軸を表示させるにはViewport Overrays(ビューポートオーバーレイ)のAxes(座標軸)のZを有効にします。

上部のGuides(ガイド)のAxesのZを有効にする
青い線が表示され、XYZ軸すべてが確認できるようになった。

このグローバル座標と3本の軸が基本の座標、軸になります。いわばBlender世界の大本の座標のことですね。

Blenderでは高さがZ軸、奥行がY軸、幅がX軸に相当しています。Z軸が高さに相当する座標はZupなどとも呼ばれます。実は3Dツールではいくつかの座標形式があり、たとえばMayaではY軸が高さ、Z軸が奥行、X軸が幅の座標を採用しています。これはYupなどと呼ばれます。

このように、ツール間で採用している座標と軸の方向が統一されているわけではないので、高さがZ軸、奥行がY軸、幅がX軸は少なくともBlenderの中での取り決めであると理解してもらえるといいでしょう。

ローカル座標

グローバル座標(ワールド座標)に関して説明してきましたが、3D空間では何を基準にするかでさまざま座標が存在しています。その中でも非常に重要な座標(どの座標も重要なのですが)の一つにローカル座標があります。

ローカルとはオブジェクトを基準とした座標です。こちらも実際に確認してみましょう。オブジェクトのローカル座標軸を表示するには、ObjectプロパティのViewport Display(ビューポートディスプレイ)のAxes(座標軸)にチェックいれます。

あとローカル座標軸を見やすくするため、X-RayをON(Alt-Z)にしています。するとこのような表示になります(あらかじめキューブは任意に回転させています)

グローバル座標の軸のように色がついてないのでちょっとだけわかりにくいですが、それでもXYZと表示されているので方向はわかると思います。

さて、グローバル座標と比べると、どの軸も傾いていますよね。これはオブジェクトを基準としている座標のためです。オブジェクトを回転させてみると、軸も追従していることがわかります。

軸はオブジェクトと追従している

これがローカル座標となります。グローバル座標が3D空間の大本の座標なのに対して、オブジェクトという一部分、つまりローカルな部分の座標なのでローカル座標と呼ばれます。(グローバル座標とワールド座標と違い、ローカル座標はほとんどの3Dツールでローカル座標とよばれています)

オブジェクトを編集する場合、ローカル座標を使って編集することが都合がいい場合がよくあります。グローバル座標だけだと垂直水平はいいとしても、オブジェクトの姿勢に沿った編集は難しくなるのは想像して頂けると思います。

座標の関しての補足の話

少し難しい話なので、おいおい覚えていくので問題ないですが、座標の各軸には+方向と-方向があります。これは数学で習うグラフを思い浮かべてもらえればいいのですが、グラフの原点は0になっていますよね。

Blenderの座標も原点は(0,0,0)になります。ですのでBlenderならZ軸なら上方向が+方向、下方向が-方向になります。X座標は3D空間に向かって右側が+方向、左側が-方向になります。Y軸は奥側が+方向、手前側が-方向になります。

このように+方向、-方向があるのですが、どちら側を+にするのか-にするのかによって座標の法則が変わってきます。実はこの+方向、-方向も3Dツール間で統一されているわけではないので、さまざまな座標法則が存在しています。3Dツールとしては右手系座標、左手系座標の2種が存在しています。なぜ右手や左手というのか、この画像を見るとわかりやすいかもしれません。

これはBlenderの3D空間の向きを表すギズモです。今のこのギズモはすべての軸のプラス方向がこちらを向ている状態になっています。この状態では左側にX軸、右側にY軸がありますよね。Xを中指、Yを親指、Zを人差し指で表そうとすると、左手ではできず、右手じゃないとできないと思います。軸方向の違いを左右の手で分別できるので右手系、左手系と呼ばれるようなったそうです。

まとめるとBlenderは右手系座標Zupのグローバル座標(ワールド座標)を採用しているということです。

まとめ

グローバル座標とローカル座標という、Blenderを使うにあたって最も基本な座標と軸に関して説明してきました。Blenderには(他のツールでも)グローバル座標とローカル座標以外にもさまざまな座標が存在しており、うまく使うことで効率の良い作業ができるようになります。他の座標に関しても記事にまとめていきたいと思います。

座標軸を使った実際の作業などに関しては以下の記事を参照してみてください。

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