Blenderには3Dカーソルというちょっと変わった仕組みがあります。3Dカーソルは名前の通り、3D空間上に配置されるカーソルのことです。なにかの的みたいな形をしています。
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どのように活用する機能なのかなかなかわかりにくいかもしれません。今回の記事では3Dカーソルの基本知識について説明します。
3Dカーソルはどういった目的で使われるのか?
3Dカーソルは主に、任意の位置を「基準」とするために使われます。Blenderではいくつかの方法でさまざまな「位置」を基準にすることができ、それら基準を元に編集を行います。
たとえば頂点の整列、メッシュの拡大縮小、複数オブジェクトの回転などなど。その基準を使う方法の一つが3Dカーソルなのです。
3Dカーソルは複数つかうことはできず、常に一つです。
3Dカーソルの基本操作
3Dカーソルは主に3つの方法で、移動することができます。
マウスで3Dカーソルを移動する
手動で3Dカーソルを任意の位置に置きたい場合は、3Dビューポート上でShift+右クリックすることで、クリックした場所に3Dカーソルが置かれます。
この方法だと直観的に3Dカーソルを扱える代わりに、3次元空間の位置を正確にマウスクリックするのは難しい(画面=スクリーン空間は2次元なため)ので、正確性が必要な場合は他の方法を使います。
数値で3Dカーソルを移動する
Location(位置)
正確な位置が必要な場合は、数値で位置を指定することができます。Viewプロパティの3DCoursor(3Dカーソル)→Location(位置)にXYZの数値が入力できます。
数値指定なので、正確な位置に3Dカーソルを置くことができます。「基準」として使う場合は基本的に正確な位置が必要になることが多いので、数値で3Dカーソルを置くことが多いと思います。
Rotation(回転)
3Dカーソルには回転の概念もあります。Rotation(回転)で数値入力することができます。回転に関しては、数値入力がほぼ唯一の手段になります。
3Dカーソルの回転は3DカーソルをOrientation(座標系)として使う場合に関連します。
3Dカーソルメニューの機能で移動する
Shift+Sキーで3Dカーソルパイメニューがでます。これらは3Dカーソルを基準として動作する機能のメニューです。
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基本的には選択に関連する位置やグローバル座標に関連する位置を計算的に特定し、3Dカーソルを移動する機能です。手動や数値入力では難しい計算上の位置への移動ができます。
Cursor to 〇〇〇が3Dカーソルを移動させる機能です。〇〇〇 to Cursorは3Dカーソルを基準にして〇〇〇を動かす機能です。
Cursor to Selected(カーソル→選択物)
選択した要素を元に3Dカーソルを移動させます。
オブジェクトモードの場合
選択したオブジェクトの中点(詳しくは後述)に3Dカーソルが移動します。
エディットモードの場合
選択した要素の中点(詳しくは後述)に3Dカーソルが移動します。
中点の挙動
この機能はTransform Pivot Point(トランスフォームピボットポイント)の設定よって結果が変わります。複数の要素を選択していた時、ピボットポイントに従った位置に3Dカーソルが移動することになります。
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挙動に関係するピボットポイントはMedian Point(中点)とBounding Box Center(バウンディングボックスの中心)です。挙動に関係しないピボットポイントを選択している場合は、Median Pointによる位置に移動します。
Cursor to World Origin(カーソル→ワールド原点)
3Dカーソルをグローバル座標の中心(原点)に戻します。Shift+Cキーでも同じ挙動になります。
Cursor to Active(カーソル→アクティブ)
アクティブ要素の位置に3Dカーソルを移動させます。アクティブ要素はユニーク(一つだけ)なので、複数のアクティブと言う状態はありません。
オブジェクトモードの場合
アクティブになっているオブジェクトのOrigin(中心点)に3Dカーソルが移動します。
エディットモードの場合
アクティブになっている要素の中心に3Dカーソルが移動します。面や辺の場合は、それらの中心点に移動します。
Cursor to Grid (カーソル→グリッド)
最寄りのグリッド位置に3Dカーソルを移動させます。いわば3Dカーソルをグリッドスナップさせるような挙動になります。Blenderのグリッドに関してはすこし癖がありますので、グリッドに関する記事をお読みください。
まとめ
3Dカーソルを自由に動かせるようになると、様々な場面で役に立ちます。実際に3Dカーソルを活用して作業している場面についても別記事でまとめようと思います。