BlenderのFBX形式ファイルの扱い
Blenderは標準でFBXを扱うことができますが注意が必要です。
FBXはプロプライエタリ
FBXとは現在Autodeskが権利を保有するファイル形式です。オープンソースではなくプロプライエタリ(非公開)の規格です。ただFBXのSDKは一般に公開されており、基本的にだれでも使うことができます。
しかしこのSDKもプロプライエタリでオープンソースではないため2次配布することはできません。
Blenderは基本的にGPLライセンスに則ったオープンソースのため、ソースコードなどをすべて公開しています。
たとえばBlenderのpythonライブラリを使って作ったアドオンもGPLライセンスが適用されるので、配布するにはソースコードを公開する必要があります。そのためFBXファイル規格のようなプロプライエタリなものは公開ができないのでBlenderには組み込むことができません。
苦肉の策での実装
それでもBlenderでFBXが扱えるのは、Blenderの開発が苦肉の策としてリバースエンジニアリングでFBXの仕様を解析しオープンソースとして組み込んでいるためです。
このあたりの事情は、権利関係などが複雑だと思うので、あまり詳しく説明することは難しいですが、こういった経緯からBlenderのFBXインポート・エクスポートは正しい挙動をしない可能性があります。
FBXを正しく扱えないかも…
たとえば、BlenderのFBXはASCII形式のFBXファイルは開くことができません。他にもいくつかの仕様違いなどがあったりします。
単に形状を運ぶための用途ではそこまで問題になりませんが、アニメーションなど、形状以外の仕組みをフルに活用するために使うには信頼に欠けると言わざるを得ません。
解決策
有償アドオンですが、FBXを正しく扱うことのできるアドオンもありますので、FBXを扱わないといけない場合は、導入した方がトラブルを避けることができると思います。
Better Fbx Importer & Exporter
上記に書いたライセンスの経緯により、Blender公式でFBX規格に完全準拠することは絶望的なため、こうしたアドオンでFBXの扱いを解決するしか現状手がありません。このあたりの事情も、ゲーム制作においてBlenderがパイプラインに組み込みにくい理由の一つかもしれません。