3Dカーソルはとても使える奴です
Blenderを触り始めた当初は3Dカーソルに対してどういう感想をもっていたでしょうか?
なんか邪魔なやつだなと思っていたのではないでしょうか?
何も設定していないBlenderだとマウス左クリックで3Dカーソルが動くだけでオブジェクトを操作できないのもトラウマになったものですよね。
3Dカーソルの位置にプリミティブオブジェクトが生成されるので、オブジェクトが生える場所くらいの認識の人もいるかもしれません。
でもこの3Dカーソル、かなり使える奴なんですよ。
3Dカーソルの位置決めの基本
Locationで数値入力
3Dカーソルはプロパティシェルフの3DCursor(3Dカーソル)メニューのLocation(位置)で場所を数値入力することが可能です。
基本的にはこのパラメータで位置を操作することができます。
ちょっきりな位置に3Dカーソルを移動させオブジェクトを生やしたいときはここで設定するといいかと思います。
3Dカーソルを原点に戻す
またShift+Cで3Dカーソルは原点に戻ります。つまりX:0 Y:0 Z:0に戻ってくれます。
もし変なところに3Dカーソルが飛んでしまったら、 Shift+Cと覚えておけばとりあえず原点に戻ってくれるのであせらずに済みます。
Originを任意の場所に移動させるために3Dカーソルを使う
Shift+Sはsnap(スナップ)メニューのショートカットですが、このショートカットの中に3Dカーソルを移動させるメニューが存在しています。
以下の4つです。
- Cursor to Selected 3Dカーソルを選択した要素の中心に移動
- Cursor to Center 3Dカーソルを原点に移動
- Cursor to Grid 3Dカーソルを直近のグリッドに吸着
- Cursor to Active 3Dカーソルをアクティブな要素の中心に移動
でも3Dカーソルをいろいろ動かすことができたら何が嬉しいの?とお思いになる方もいるかもしれません。
それは3Dカーソルが「編集の中心点」になりえるからなのです。
BlenderではPivot Point(ピボットポイント・編集の中心点)が5つあります。どれも有用で使い道のあるものですが、そのなかの3DCursor(3Dカーソル)は3Dカーソルの性質上非常に自由度の高いPivot Pointを実現してくれます。
3Dカーソルを使ってOriginを移動させる手順
例えばロボットの関節を作っていたとします。関節は多くの場合そのオブジェクトのOrigin(原点)が軸となって表現されます。
つまり関節の折れ曲がる場所にOriginを移動させる必要があります。
これにはObjectモードでオブジェクトを移動させてOriginを任意の場所にもっていく方法もありますが、やはり手動だと思った通りの場所に移動させるのはなかなか大変です。
またOriginを移動させた後、Mesh(メッシュ)を相対的に移動させないといけなくなるので面倒ですよね。
そこで3Dカーソルを使ってOriginを移動させます。
今回の例では肘関節部分を想定しています。
肘関節を構成する二つのオブジェクトがあります。originは中途半端な場所にあります。
Editモードで中心となりえる要素を選択
いったんEditモード(編集モード)に入ります。
そして対象となる関節位置の点や辺や面などを選択します。
このとき選択するのは選択全体の中心が肘関節の回転軸の中心となる要素にします。
例では関節の円状部分の面を両外側それぞれ2か所ずつ選択しています。
選択した要素の中心を捉えることができるので、関節が傾いていても関係ありません。オブジェクトを動かすときのようにXYZ軸に悩まされることはありません。
3Dカーソルの移動
そしてShift+SにてCursor to Selectedを選択します。
すると3Dカーソルが選択した要素の中心に移動してくるはずです。
視点回転するなどして、正しい位置に3Dカーソルが来ているかを確認してください。
もし、正しい位置に3Dカーソルが移動しなかった場合は、選択要素をもう一度検討してみてください。多くの場合上下左右に対称的に要素を選択すると中心を捉えられるかと思います。
Originを3Dカーソルの位置に移動させる
確認してよければ、Objectモード(オブジェクトモード)に戻って、Ctrl+Shift+Alt+Cを押します。
このショートカットはSet Originメニュー(原点を設定メニュー)が表示されます。Originの移動のためのショートカットですね。
そしてOrigin to 3D Cursor(原点を3Dカーソルへ移動)を選択します。
そうすると3Dカーソルの位置にそのオブジェクトのOriginが移動するはずです。
回転軸を肘に移動させることができました。
ちゃんと肘関節のようにまげることができるようになりました。
まとめ
上述はObjectモードでの例ですが、もちろんEditモードでも3Dカーソルは大活躍します。
さらなる応用編は別な記事にまとめたいと思います。