Plasticityにおいてスナップは重要な機能でスナップを使いこなすことはすなわちPlasticityを使いこなすことに他ならないと偉い人は言っています。
Plasticityにおいてスナップできるポイントは多数ありますが、どのような場合に使うことができるのか、ポリゴンモデラーに慣れた人にはNUBRSモデラーやCADツールの作法にやや戸惑いと感じることともしばしばです。自分も大いに迷い悩んだのでスナップできるポイントに関してまとめてみました。
スナップポイントの基本
オブジェクトスナップの設定
まずはオブジェクトスナップ(Object Snaps)を有効にします。これを有効にしないとそもそもオブジェクトの要素にスナップが効きません。デフォルトで有効になっているはずですが、確認しておきましょう。
オブジェクトスナップはスナップさせる要素を指定(限定)することができます。Face、Curve、Edgeの3つをそれぞれONOFFできます。たとえばFaceだけにすると、スケッチ(カーブ)やエッジにはスナップが効かなくなり、フェイスのみにスナップすることになります。デフォルトではすべての要素がONになっており多く場合はそのままでOKだと思います。
オブジェクトのスナップポイント
スケッチオブジェクト
スケッチオブジェクトとはカーブのことです。ラインツールやレクタングルツールなどで描くスケッチはカーブで構成され、オブジェクトスナップのCurveに相当します。またカーブで閉じられた範囲はオブジェクトスナップのFaceに相当します。スケッチオブジェクトにスナップさせたいときは少なくともCurveとFaceが有効になっている必要があります。
スケッチにはさまざまなスナップポイントが存在しています。スナップさせた場合、そのスナップポイントの名称が表示されますが、以下のようなスナップポイントがあります。
- CV ポイント及びコントロールポイントへのスナップ
- Region Curveで閉じられた面へのスナップ
- Curve カーブ線へのスナップ
- 1/4,Mid,3/4,End スケッチが円形状の場合の4分割ポイント
- Intersection 交差点 要素やXYZ軸との直交するポイントとしてのスナップポイント
- perpendicular 垂線 垂直線としてのスナップポイント
- Tangent 接線 接線として通るスナップポイント
- Closest 最近接点 要素に一番近いスナップポイント
- Center 円形状の中心点としてのスナップポイント
- X,Y,Z 軸へのスナップポイント
- Origin ワールド座標の中心点
スケッチの場合、これらの表示が複数重なる場合もあります。スナップしているポイントがどのような意味を持つ場所なのかは表示に頼ることになると思いますので、意味を理解していると効率よくスケッチすることができると思います。
以下はラインツールで描画しようとしている際のスナップポイントの挙動です。さまざまな場所にスナップポイントが存在していることが分かるかと思います。
円形状に関しては完全な円形でなくても、円由来のスナップポイントが使えます。
ソリッドオブジェクトとシートオブジェクト
オブジェクトスナップが有効な状態で、たとえばラインツールを選択し、ソリッドやシート上でカーソルを動かしていると、カーソル部分に文字が表示されていると思います。これはいまどの要素にカーソルが当たっているかの表示です。フェイスに当たっていればFace、エッジに当たっていればEdgeと表示されます。
ラインツールなどを選択している状態ではカーソルが◎のようになっていると思います。たとえば傾斜のあるフェイスではカーソルがその傾斜に沿っていることが分かると思います。これはフェイスにスナップしている状態です。
フェイスは中心(Center)にもスナップできます。フェイスの中心近くにカーソルが近づくと中点のドットが現れ、スナップさせると表示がCenterに代わります。
エッジにスナップされているときはEdgeと表示され、さらにスナップしているエッジが白くなります。
エッジの終点でのスナップではEdge,Endと表示されます。
エッジでは中点(Mid)もスナップポイントになります。エッジの中点付近にドットがみえますが、スナップさせてみると、カーソル表示がMidとなりエッジの中点にスナップしていることがわかります。
フィレットや円柱による中点のスナップ
フィレットや円柱由来の形状では、そのフィレットや円柱の円の中心にスナップができます。マウスカーソルを近づけるとドットが現れスナップさせるとCenterと表示され、スナップしているポイントの由来となっているエッジが白く表示されます。
円柱由来とは例えばブーリアンで形状を作った場合などです。ブーリアンでユニオンで円柱形状を繋げた場合、円柱の円は融合されてしまいますが、円に該当する部分の中点はスナップポイントとして使用できます。Centerへのスナップで同心円上へ要素を正確にスナップさせることが可能になります。
ガイド線によるスナップ
ガイド線に関しては、以下の記事に詳細がありますのでお読みください。
ガイド線もスナップポイントとして頻繁に使います。基本的にスナップポイントの表示は上記に書いたスケッチやソリッドやシートなどと同じ種類ですが、Coincidentというスナップポイント(というよりスナップ線といったほうがいいかも)が存在します。Coincidentは「一致した」といったような意味になります。
これはガイド線を作成した位置から延びるエッジに対して同じ角度で伸びるガイド線のことを意味しています。Conincidentが表示されている場合は、エッジに沿ったスナップになっています。
ちなみにガイド線はCurveとして扱われるようで、オブジェクトスナップのCurveに相当します。ガイド線以外のソリッドやシートの要素にスナップさせたくない場合は、オブジェクトスナップをCurveのみにすることでガイド線だけにスナップすることができます。
まとめ
スナップに関しては、いろいろテクニックが存在しているようなので、自分もいろいろ調べつつ使ってみて、応用編などを記事としてまとめてみたいと思います。スナップのあれこれについてはあまりマニュアルに詳しく載っていないようにおもうので、ちょっとしたTipsとして活用してもらえれば幸いです。