Plasticity ブーリアンの基本

Plasticity

NUBRSモデラーにとってブーリアンは形状を作っていくための重要な機能です。ポリゴンモデラーのように頂点を編集することはできないので、ブーリアンを使って目的の形状を詰めていく行程が非常に多くあります。そのためブーリアンの使い方を習熟するのがPlasticityの習熟にとって重要だと偉い人も言っています。

ブーリアンのやり方はコンテキストによってさまざまありますので、最初の内は結構混乱してしまいがちですが、基本部分を抑えると応用も楽にできると思います。まずはケーススタディ的にブーリアン機能の基本操作方法をいくつか整理してみたいと思います。

既存のソリッドorシート同士のブーリアン

ブーリアンの最も基本的な形は、既存のソリッドないしシート同士をブーリアンする場合です。ブーリアンのショートカットはQキーです。またFキーのリストでの機能名称はBooleanです。

  1. どのオブジェクトも選択していない状態でQキーを押します。すると画面左下にダイアログが、画面右下にホットキーリストがでます。
  2. 例では長方形を被ブーリアンオブジェクト(ターゲットといいます)、円柱をブーリアンする側(ツールといいます)としています。Qキーを押してダイアログが出た状態では、Select target bodies部分が赤く表示されていると思います。この状態でターゲットオブジェクト(今回の例では長方形)をクリックします。するとSelect target bodiesに緑チェックが付き、今度はSelect tool bodies部分が赤く表示されます。この状態ではまだブーリアンが実行できる条件が整っていないので、ダイアログには×印が表示され枠が赤くなっています(実行できない場合やエラーが起きる場合はこの状態になります)
  3. 次にツールオブジェクト(今回の場合は円柱)をクリックします。ツールオブジェクトをクリックしてもSelect tool bodiesに緑チェックは付きませんが、ダイアログの×印と赤枠表示は消えました。ブーリアンができる条件が整ったことを意味します。
  4. 次にブーリアンの方式を設定します。ダイアログのOperationにUnion、Diff、Intersect、Sliceの設定があります。デフォルトではDiff(Difference)になっています。挙動は以下のようになります。ポリゴンモデラーの一般的なブーリアンと挙動は同じです(挙動は下記)
  5. 方式を設定すると、ブーリアン結果のプレビューが表示されます。Differenceではツール部分が赤くなり、ターゲットからツール部分が無くなっている状態でプレビューされます。
  6. プレビューの結果がOKであればEnterキーを押してブーリアンを確定します。

Union

和のことです。ターゲットとツールを合体させる挙動です。プレビューではターゲットとツールどちらとも青く表示されます。

Diff(Difference)

差のことです。ターゲットからツールが差し引かれる挙動です。プレビューではターゲットが青、ツールが赤で表示されます。

Intersect

積のことです。ターゲットとツールの交差している部分が残ります。プレビューではターゲットが青、ツールが薄緑になります。

Slice

ターゲットとツールの交差している部分でカットが行われそれぞれ別なオブジェクトになります。

スケッチからオフセットor押し出し→ブーリアン

スケッチをソリッドないしシートに押し出してブーリアンをするという状況はかなり多いと思います。この方法ではソリッドやシートを作ってからブーリアンするのではなく、スケッチからのコンテキストでブーリアンまで行えるので非常に便利で効率的です。ショートカットとホットキーを組み合わせるとほとんどキーボード操作でシームレスに押し出しからブーリアンを行うことができます。

  1. まず、ターゲットにスナップさせる形でサークルをスケッチしました。次にサークルをオフセットないしエクストルード(押し出し)します。初期設定ではスケッチのフェイスを選択している状態だとオフセットを行うための黄色いハンドルが出ますので、ハンドルを操作してオフセットを実行します。
  2. オフセットを完了させるためにはEnterキーを押すことになりますが、オフセットからブーリアン続けて行う際は、Enterキーを押さずに、ホットキーを押してブーリアンモードに入ります。例ではDifferenceによるブーリアンを行うためにWキーを押しました。
  3. ホットキー(今回はWキー)を押した後に、ターゲットオブジェクトをクリックして選択します。するとオフセットした形状の部分が赤く表示され、Difference(差)によるブーリアンの結果がプレビューされます。プレビューの状態が目的通りならそのままEnterキーを押すとブーリアンが確定されターゲットオブジェクトの形状が変化します。

まとめ

基本的なブーリアンの操作は以上ですが、ブーリアンモード中にいくつか行えることもあるので、別途続編記事としてまとめてみたいと思っています。ブーリアンが思い通りにできるようになると、非常に効率的にモデリングできると思いますので、習熟頑張りたいと思います。

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